4大世界戦特報で、表紙を飾るのはWBC世界S・フェザー級王者・柴田国明(ヨネクラ)VS指名挑戦者世界2位・ラミロ・クレイ・ボラノス(エクアドル)。この試合は10月3日、日大講堂で行われました。

柴田選手15回レフェリーストップのKO勝ちで、2度目の防衛に成功。3度目の世界王座で、初めてオプションの壁を突破。これからやっと、稼げるチャンピオンになれます。

WBC世界フライ級タイトルマッチ。10月1日、日大講堂で王者・ベツリオ・ゴンザレス(ベネズエラ)に10位小熊正二(新日本木村)選手が挑戦。
この年5月の王者とのノンタイトル戦では、判定負け。しかし、その時の善戦が認められて?ランキング入り、初の世界挑戦となりました。
ノンタイトルでゴンザレスと対戦するに当たり木村会長は、「もし、小熊が今世界の何位かに入っていたら、こんな冒険はしない」、「こっちが勝てば、世界戦をやってもいいと言うんで、黙って見送る手も無いと思って」、「小熊もそろそろ勝負させてもいいかなと思って」

試合は、大番狂わせで小熊選手が2−1の判定勝ち。見事世界王座に駆け上がりました。23才。23戦目の快挙達成。ちなみに木村会長、39才。
この小熊選手、なんでも最初は電車から見えた協栄ジムへ足を運び入門するつもりだったとか。最初は中へ入れず、2度目は日曜で誰もいなかった。
そういえば、柴田国明選手も最初は協栄ジムへ入るつもりで来たんだとか。しかし、その童顔を見て某トレーナーが、親の承諾書を持って来なさいと断った話、聞いたことがあります。本当かなぁ?
10月8日、日大講堂では世界S・ウェルター級タイトルマッチ、王者・オスカー・ショットガン・アルバラード(米)VS龍 反町(野口)が行われています。
8日間で3度の世界タイトルマッチが開催される日大講堂、凄いですね。全て全国ネットのゴールデンタイム、90分。26日には、セルバンテスVS門田戦も行われています。
親友輪島選手の敵討ちに挑んだ、反町選手。予想も悪くは無く、試合開始は反町選手の左がポンポン当たる展開。当たるばかりに、左を忘れ右狙いになり、半ば自滅・・・。

スタミナをなくし、当たれば強いショットガンを貰い、7回KOに散りました。野口会長は、「2年前なら反町のKO勝ち。体力の限界」と語っていますが、反町選手は否定。結果としては、現役続行しましたが・・・。

9月22日ローマで行われたWBC世界S・ライト級王座決定戦。ぺリコ・フェルナンデス(スペイン)VSライオン古山(笹崎)。
古山選手の挑戦を受けるはずだった9度防衛中の王者、ブルーノ・アルカリ(伊)が減量苦の為タイトル返上、急遽組まれた王座決定戦。
判定が下った瞬間、テレビ解説の小林 弘 (元世界S・フェザー級王者)さんが、「そんなバカな!ひどいよ・・・」
思わず絶句して、後は泣き声になった事は有名な、”欧州式”判定で古山選手は敗れました。レフェリーの1ポイントが命運を分けました。

手数では圧倒していた古山選手。しかし、”ディフェンス”がポイントになる欧州スタイルの採点方式に泣かされました。前王者アルカリも「スポーツとして見れば、古山の勝ち」と語っています。
「試合中は、女房と生まれてくる子供の事ばかり考えて、石松君のように世界を獲らなければ」と古山選手。世界タイトルに一番近かった試合でした。
夢と希望と挫折が入り混じったボクシング界。”希望”を持ってカムバックしたのが、ハーバート康。25才。
かつて日本のリングで、日本バンタム級のトップ金沢和良、斉藤勝男の両選手を失神させ。東洋フェザー級タイトルに挑戦して来た柴田国明が、5回まで打って打って打ちまくっていたその刹那、ようやく打った右アッパー1発で、柴田選手も失神。
それも5年前、練習嫌いの天才は自滅道を歩み。以後は、泣かずとばず。柴田選手は今や世界王者、これに刺激されたのか日本のリングに夢を賭け、カムバック。
10月6日、S・ライト級で戦った日本6位清家正勝(川口)選手とのカムバック戦でも、恐怖のKOシーンを見せてくれました。いつもこれだ・・・。

ハーバート康とスパーをした経験がある大竹マネジャー、「半端じゃないよ、怖いよあれは」と、よく語ってくれます。
”挫折”を乗り越えて、世界の舞台に這い上って来たのがシゲ福山(協栄)選手。ロスの人気者、世界フェザー級4位ダニー・リトルレッド・ロペス(米)を9回KOで仕留め、一躍スターダムに。

福山戦前までのロペス選手の戦績は、24勝(23KO)1敗。オリンピック・オーデトリアムで完全なアンダードックとして組まれたこの試合、ロペスは世界王者、ボビー・チャコン(米)への挑戦も決まっており、楽勝と見られていました。
しかし、福山選手が大番狂わせのKOで勝つと同時に、世界タイトルへの挑戦権も横取りしてしまいました。反町選手を破ったアルバラードとは同僚。

一時は4連続KO負けで、日本の関係者からは”見放された選手”だった福山選手。この勝利で一躍有名になり、西城2世、シンデレラ・ボーイ2世とも言われ、凱旋帰国。
ロスでの第1戦めのファイトマネー650ドル(当時20万円)が、今やロペス戦では7千ドル(当時210万円)も稼ぐようになり、次はさらにアップ。世界王者になれば、桁が違ってきます。
”希望”をかなえようとしているのは、内山真太郎(船橋)選手。イトウ先生が、本当に真面目と言いますから、マジで”超真面目”な選手。

8ヶ月間ハワイで修行を積んだ内山選手が、今、真剣に考えている事は”ハワイ移住”の事。どんな事があってもハワイで暮らしたいんだそうです。
ボクサーになって外国に行くのが夢だった内山選手、最近お母さんをハワイ旅行に招待したそうです。ある程度目的を果たせた今、外国はどこでもいいんじゃなくて、ハワイで無ければダメと断言。