5日有明コロシアムが、1万人の大観衆で埋まった亀田兄弟初の揃い踏み。興毅、大毅の両選手共にKO勝利。その強打振りを見せ付けました。
大毅選手の次戦は、6月5日(月)後楽園ホールに決定。対戦相手は未定。世界タイトル挑戦を視野に入れる興毅選手の次戦は7月頃になりそうで、とりあえず次戦での世界挑戦はなさそう。
5月5日亀田の日の興行は、出場選手が亀田兄弟に”刺激”されたのか、全ての試合がKO決着。
大毅選手KO勝利後の”歌謡ショー”に続いて、ご存知”水戸黄門”のテーマで登場は、”江戸の牛若丸”日本ウェルター級4位渡部信宣選手。ここまで6連続KO中で、7戦7勝(6KO)。
対するは、前戦で渡部選手の先輩、加藤壮次郎選手から日本ランクを奪い取った、日本ウェルター級9位ルイス・オカモト(相模原ヨネクラ)選手。3連敗後2連勝中で、8勝(3KO)4敗。
加藤選手に勝ったリング上で、膝を付き十字を切るオカモト選手に、息子さんが駈け寄ったシーンは”感動的”でした。真面目な選手なんだなぁ〜と感心したものです。
前回の試合で、日本ランキング上位の西川選手を2回KOで切って落とした渡部選手には、KOの期待が掛かる。何でも、大毅選手とのKOタイム争いで早かった方が100万円貰えるんだとか。
渡部選手。好青年です。試合にしっかり気持ちを作れる選手です。試合は、開始ゴング直後から渡部選手が猛攻。得意の右フックで、オカモト選手のボディが早くも赤く浮かび上がる。
会場内の、倒して当然見たいなムードの中、2回目も強打を振るいまくります。ただ、単発でコンビネーションが少く、ディフェンスに重きを置き、カウンター狙いのオカモト選手を捕まえきることが出来ません。
きっとこういう戦い方をするとは考えていました。「どういうふうに攻めて来ますかね」と、試合前の萩原トレーナー。オカモト選手は、速攻型でパンチのある渡部選手に、試合開始直後から積極的に攻撃を仕掛けてくるタイプの選手ではない。
「ボクシングスタイル的にも、性格的にも、待機戦法、打ち終わりに打って、守る。序盤戦を凌いで、打ち疲れて来る後半勝負で来るんじゃないの」と、予測を説明していた通りの展開になって来る。
試合開始から2ラウンドの渡部選手の攻めを見て、大竹マネジャー「今日は勝つんだよ。倒す事ばかり考えなくていい。たくさん手を出して、当てて来い」と、アドバイス。
オカモト選手、”頑張る”モードに入ってしまいました。それまでに倒せれば良かったのですが、こうなると”ヤッカイ”です。
試合が中盤に差し掛かる頃には、オカモト選手のパンチも単発からコンビでまとめて来るようになる。まともに貰ってはいないが、バランスが悪く印象が悪い。効いた効かないじゃなく、バランスを崩したところに打たれると、打った方にポイントが行く傾向がある。青コーナーからの、「ボディ打て」が聞こえる。
中盤戦、ポイントが気になりだす。「こんな事やってるとわかんないよ、ハギちゃん」と、大竹マネジャー。
インターバルでも、「相手もランカーなんだから、そんなに簡単に倒れないよ」「判定でいいんだから、今日勝たないと何も無いぞ」「腹打って、止まったら良く見て合わせる」「ただ振り回したってだめだよ」
こちらの狙いも”ボディ”。7回、左ボディがガードの真ん中を抉り”ストマック”直撃。これは効きました。ガックリ膝が折れるオカモト選手。
チャンスと見て死に物狂いで手を出し、追い掛け回す渡部選手。しかし、オカモト選手も必死の抵抗、驚異的な頑張りでこの回終了。
「ラストだ、まとめろ。もう、まとめたら止めてくれるよ」「強いのはいいからまとめて手を出して来い」
いよいよラストラウンド。渡部選手ゴングと共に突進。真っ赤に腫れているオカモト選手のボディに右フック。まだ倒れない。狂ったような連打から、ようやくダウンを奪う。それでも立ち上がったオカモト選手でしたが、ここはストップ。
ラストラウンドKO勝ち。課題が見えた中、8ラウンドスタミナも持って、最後にあれだけ打てる力が残っていた事は、大きな収穫ではないでしょうか。渡部選手も、ガックリとしながら反省していました。
ドクターチェックに付き添う、相模原ヨネクラジム幡野会長へ、「ホントに良く頑張りましたね。びっくりしました」と、声を掛ける。
「ブラジルの男(オカモト選手はブラジル人)は、真面目。試合を捨てないよ」
オカモト選手、惜しくも敗れはしましたが、”子供の日”ビッグステージで”親父の生き様”を見せました。素晴らしい勇気でした。この日の大観衆も、きっとそう感じた事でしょう。
試合後、渡部選手、萩原トレーナーと雑談。相手の幡野会長は、渡部みたいなスラッガーで当時5戦5KO勝ち、その勢いでカーロス・エリオット(八戸帝拳)の持つ日本S・ウェルター級タイトルへ挑戦。
無敵と言われていたエリオット相手に、”あと1発”まで追い詰めながら、リキんでガス欠(本人談)。あと一歩で王座を逃している過去があった事等を説明。「そんな事もあったから、絶対ああやって来るよ」
大毅選手の前に登場は、12戦無敗の下田選手に土をつけ、日本S・バンタム級7位にランクされる瀬藤幹人選手。前戦の下田戦は、後楽園ホールを興奮の渦に巻き込んだ大変良い試合でした。サテ今日は・・・。
対戦相手の佐藤 昭 (花形)選手は、6勝(1KO)10敗。5連敗中ではあるが、その対戦相手には現日本王者・福原選手、ランカーの塩谷選手も含まれる。今年34才になるベテラン。
試合前の控え室。「カッコつけちゃいけないよ」「一生懸命、いつも必死にやるのがあんたスタイルよ」「力ずくはやるなよ」「自分の持ち味、わかってるんだろ〜」「34才で負け越し、バカにすると痛い目あうよ」「相手はやる気で来るからな、こういうのが怖いんだよ」
試合開始。瀬藤選手のスピードある左ジャブが、ビシバシ佐藤選手の顔面を捉える。確かに力量の差は”感じられた”が、問題はここから・・・。
ジャブから早い右、いわゆるワン・ツー。当たる。しかし佐藤選手は後ろへ重心を移し反応、ヒットはしているが決定打とはならない。本来は、ここからボディへ行ったり、下田戦で見せた右アッパー等へ繋ぎ、2度3度と仕掛けるべきであるが・・・。
やっぱり狙っている。ア〜体が半回転もする左フックの空振り。打っては相手の様子を見る。何の為、”カッコ付ける為”?(^^)
ジャブもだんだん少なくなる。単調な攻撃、力ずくのパンチ。だんだん相手にも読まれ、ついには4ラウンド終了間際、打ち終わりに左フックを1発合わせられる。
キャリアでうまくごまかしたが、かなり効いた。記憶も飛んでいた(^^)
ようやくジャブを思い出し、ジャブを多様し始める。しかし、その後のパンチは相変わらずで、「何やってんだあいつ」「ジャブ当たるんだから、もっとどんどんジャブ打たせろ」試合途中様子を見に来た大竹マネジャー。「バッカじゃないの」と、言いつつ去る。
この後のインターバルで口を出す、「瀬藤、お前の持ち味何なんだ」「お前の方がスピードあるし、パンチの種類もたくさんあるんだから、止まらないでミット打ってるつもりでやって来い」「左腹打ったら右アッパーだろ」「止まらないで打てばいいんだよ」「出来るんだろ」
6ラウンド開始早々、会場が沸く。私は、うがい係りなので、濡れたリングを拭いたり、タオルをバケツの氷水にしっかりつけたりと、下を向いて仕事。
チーフセコンド・ヒルマ先生の「行け〜、チャンスだ〜」の声を耳にリングを見上げると、これまでの瀬藤選手とはうって変わって、多彩なコンビネーションで滅多打ち。
レフェリーが割って入る。私は、ストップのつもりでレフェリーは入ったと思いますが、「ツー、スリー」とアナウンスに即されてカウントを取ったような感じ。
再開後も嵐の連打で、佐藤選手は防戦一方。やっとストップとなりましたが、あれは”危ない”なぁ〜。
「やったら簡単だろ」「出来るんじゃん」「な〜んで今までやんなかったの」(^^)
試合後の瀬藤選手、大反省。色々細かく説明してあげました。「もう長い事ボクシングやってて、大概の事は出来るんだから、あとは組み合わせじゃないの」「「自分の良さ、どのスタイルやったらチャンピオンになれると思う?」「名護ちゃんのようにパンチあったら、終わってたよあれ」
「大竹マネジャーがいたら、きっと、ああアドバイスしたと思うから口を挟んだけど、判るだろ」「でも、直ぐに出来る技術とハート、地力があるのは良くわかった。大したもんだよ」
「まだ時間早くて、会長見てなくてよかったなぁ」「見てたら大変だよ」「渡部なんか、試合終わって直ぐ会長にどやされてたぞ」「よかったなぁ〜」
「ホントですかぁ〜」(~~)ようやく最後に元気付いた瀬藤選手でありました。
試合後大竹マネジャーと共に、南砂町にある”茶夢亭”(ちゃむてい)へ。そこで、以上の試合後のミーティングを報告。「それはいい事やってくれた。ご苦労さん」で、ビールが入る事(~~)
このお店、前にもご紹介しましたが、”肉の万世”元チーフの石川和雄氏が総料理長を勤めます。味にうるさい石川さんは、素材にもこだわります。ここで出されている牛肉はもちろん和牛。何でも肉のクラスは、”万世”より上なんだそうです。ウ〜ン、美味しい。

上は、びっくりするほど美味しい”馬肉のコンビーフ”。ちょっと食べてしまった後ですが、仕入原価を聞いて思わず”写真”撮っちゃいました。(~~)
”肉の万世”は、大竹マネジャーが長く勤めていたレストランチェーンで、元世界王者のトカちゃん事、渡嘉敷選手、元日本王者の喜友名選手等もバイトしていました。
現在も、亀田選手はじめ協栄ジム選手の全てが、計量終了後”肉の万世”で食事します。サラダにジャンボハンバーグ定食。ランカーになると好きなものが食べられます。坂田選手は、ジャンボハンバーグ一筋ですね。これも性格かな(~~)でも、美味しい。もちろん、食事代はジム持ちです。
肉料理だけでなく、魚料理も美味しい”茶夢亭”は、東西線南砂町駅ジャスコ近くです。江東区南砂6−2−1。TEL03−3640−9838。このブログ読みましたで、何かサービスしてくれると思いますヨ。(~~)

石川さんのお話では、このお店でバイトしている子が、”ファミリー・フォーラムジム”に通っていて、最近プロテストに合格したんだそうです。
「応援行くからさぁ〜、亀田選手がやる時なんか試合できないの」「ウ〜ン石川さんの頼みなら、考えますよ。門田会長もいい人ですし」「ホントに出来んの」(~~)
「石川さんには、渡嘉敷も喜友名も協栄でお世話になった選手もたくさんいますから、何とか会長に相談してみますよ。石川さんの頼みですから」

「そうか悪いなぁ〜。無理言って」石川さん、嬉しそうにビールをゴクリでした。