本望引退！”かわすほどの技術”はあった

昨夜の３大世界戦には、９千人の観衆が有明コロシアムに集まった。長谷川選手、ラスト２回、特に最終回は積極的に打って出て試合を盛り上げてくれたが、中盤までの流れが静かだった事もあり、１１回ころから帰り始めたお客さんがいたのは残念。

「そうだ行け」

「最初からやってくれよ」

隣では一気に大声張り上げていました。(~~)

出て来ない挑戦者。

「長谷川はチャンピオンらしく、殺すくらいの気持ちで出てきてほしかった」

ある意味、凄い勘違いで笑えます。彼のボクシング哲学はそういうものなのでしょう。セコンドは怒ってましたけどね。(~~)

長谷川選手、あそこまで我慢していかなかったのは正解だと思います。懐深くてカウンター狙いだけなのですから、行けば危険もあった。単発ながらそんな場面もありましたね。

「オッ〜、ヤバイ、ヤバイ」

ラストはチャンピオンの意地、米国進出への夢、気持ちが集中しました。

さて名城選手、やはりコンディションあまりよくなかったようですね。しかし、ムニョスも明らかに衰えが伺えました。

「前、もっとスピード。今、ダウン」

試合開始後すぐにサーシャ選手が話しかけて来た。

名城選手とは、沖縄でスパーした事もあると言う。

パンチはあるムニョス。ジャブも強そうだ。時折ふるう名城選手のパンチはスピードもあり、”いい振り”していた。しかしその左腕は、ムニョスの重い右をブロックするのに精一杯で、攻撃には使えなかった。

名城選手の左腕、真っ赤に腫れあがっていました。パンチがある選手にあれやられるとイヤですね。後半、一気に手数が落ちた原因でもあると思います。

ムニョスも７回の攻撃後は疲れた。

「ちょっと疲れたね」

サーシャ選手がウィンク。

「サーシャ大丈夫？」

「OKよ」

ニヤッと笑うサーシャ選手。その笑みは自信ありげ。S・フライに落ちるのかどうか、深い事はわかりませんが。(~~)

バレロVS本望戦終了後にも聞いてみました。

「セイム・ウェート。バレロOK？」

やはり笑いながら、

「OK。OKよ」

さっきの笑いとはちょっと違ったような気はしましたが、凄い自信ですね。

【Photo Gallery Alexander Munoz Vs. Nobuo Nashiro】

悔いが残る敗戦なのでしょう。名城選手、再起宣言。まだキャリアも浅いので、今後に期待ですね。

昨日のヒーロー、本望信人選手。しかし、残念ながら引退。

【本望ＴＫＯで現役ピリオド／ボクシング（日刊スポーツ）】

バレロの攻撃を初回から逃げ回っていたわけではなく、最初からカウンターで迎え撃った。相手が仕掛けてくるのだから当然である。長谷川選手とは、逆の展開。

田中先生と良い練習を積み、充実した心理状態でのリング・イン。観る者に感動を与えた戦いでした。全てはこの写真に要約されていると思います。

【Photo Gallery Edwin Valero Vs. Nobuhito Honmo】

結果は結果、仕方がない。しかし、

「王者の攻撃をかわすほどの防御技術はない」（毎日新聞）

は、間違いであった。

日本でも最高のトレーナーと、真面目な努力を継続して来ている選手が、この一戦に賭けてさらに厳しい練習を積んだ。選手も練習の成果を、大試合で出せるハートを持っていた。

そう簡単に言われてはたまらない。

「かわすほどの技術」は、見せてくれたと私は思う。

昨夜、９千人の観衆に感動を与えたのは本望選手。だが、バレロは強かった。本望選手引退。その戦いぶりが本当の真価を得るのは、もう少し先の事になるのでしょう。

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