ゆっくりと横になるチャンピオン。控え室には早くも緊張感が漂う。午後4時30分、ゆっくりとストレッチ開始。余分な会話はない。
5時30分、試合役員一同がやって来る。元東日本新人王にして、元世界フライ級チャンピオン大場政夫(帝拳)選手と合宿生活を共にした事もある浅尾和信レフェリーの気合の入った試合注意を聞く。
試合用グローブを受け取る。そして、バンテージ巻き開始。挑戦者陣営の立会いは、ヨネクラジム・林マネジャー。

私は入れ替わりに、挑戦者・久高寛之(仲里・ATSUMI)の控え室へ。
初めての世界挑戦。気合が入る陣営。控え室のドアは開け放たれている。通路を挟んだ向こう側、WBC王者内藤大助(宮田)選手の控え室は激励者が引きもきらない。にぎやかだ。
6時45分。グローブ装着。目一杯グローブを絞る挑戦者陣営。テープの巻き漏れを指摘。
「相手、右に体傾けるから、あわてないで良く見てね。わかるな坂田」
準備が整ったたチャンピオンは、軽いミット打ちでグローブを手になじませる。55分。ブルーのガウンをまとい、いざ出陣。
第1ラウンド。挑戦者の左アッパー、右ストレートは速い。しかし、この日の坂田選手は黙って様子を見てはいない。積極的に前に出る。2回、ラウンドを取り返して来た。上々の滑り出し。
しかし、3回アクシデントが見舞う。バッティングで右目上の古傷から出血。山口戦と同じ箇所だが、浅いが傷口は長い。血が目に入る。
「出ろ、坂田!」
前半戦での負傷判定が怖い。大竹マネジャーの指示を待つまでもなく、再開後猛進する坂田選手。4回もゴングと共に出るチャンピオン。この回で挑戦者の動きには完全に慣れた。
「もっと出てくるかと思った」挑戦者は出て来ない。
挑戦者は体を右に倒しディフェンスする。うまい選手がこれを使う。長身のSフェザー級ロングラン王者サムエル・セラノ(プエルトリコ)もこのスタイルでした。
「打って来るタイミングはわかりました」
出血している分、見映えは良くない。6、7、8回と挑戦者はフットワークを駆使し動くが、手数は少ない。傷でのストップを恐れていた大竹マネジャーも、9回には勝利を確信。
「やっぱり挑戦者は出て来ないと・・・」
苦しそうな表情を浮かべながらも、必死の形相で踏ん張った挑戦者だったが、勝利には至らず。大差の判定で王者がV4に成功した。
「疲れてないよな」(~~)
「ハイ!」(~~)
シャワーを浴びていたら、頭から血が流れてくる。良く見たら右前頭部にも傷があった。これは、ホッチキスで止めた。
「ホッチキスって?痛いんですか?」
「チクッとするだけだよ」
「それなら良かった」(~~)
「な〜に、パリ考えたら痛いのなんて関係ないだろ」(~~)
パリでは麻酔無しで縫合を受けた。先に縫合を受けたバスケスは、大きな悲鳴をあげまくった。
「痛そ〜だな〜。だけど、声出すわけにはいかないよな」
うめき声一つ上げなかった坂田選手。アゴ割られても攻め抜いた男が、頭にホッチキスと聞いてビビッた。その心は、やっぱり普通なんですねェ。(~~)
「一気にカッコいい勝ち方は見せられないかも知れませんが、それが僕のスタイルだと思っています」
「毎日、毎日。ほんとにちょっとの積み重ねでここまで来ましたから」

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亀田興毅選手がリング上で内藤選手に対戦を迫ったらしいと聞いたのは、試合後時間が経っての事だった。WBA1位にある亀田興毅選手。次は指名戦となる坂田選手。今後のビジネスの行方を注目する他ありません。
たくさんの応援、温かい励ましのお言葉。また、厳しいご意見。ありがとうございました。謙虚に受け止め、V5に向け今後も精進してまいります。今後も、ご声援の程、よろしくお願い申し上げます。
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カカアコジム。佐藤 修 (協栄)選手にアドバイスを贈る元世界王者・鬼塚勝也氏。