「あれ、見ちゃったからねェ」(~~)
”あれ”とは、1984年1月18日のWBC世界フライ級タイトルマッチ。挑戦者の小林光二(角海老宝石)選手が、王者フランク・セデ二ョを2回で豪快にノック・アウト。歓喜に浸るシーンの事である。
1983年、関 博之(帝拳)選手の挑戦を二度に渡って撃破した日本Sフライ級王者ジャッカル丸山(国際)選手はタイトル返上、引退の道を選んだ。しかし、引退一転、再起宣言が飛び出す。
世界王者となった小林戦選手とは1982年9月に戦い、ダウンを奪い分のいい引分け。この試合は小林選手の世界タイトル前哨戦。いわば噛ませとして選ばれた日本2位丸山選手。
「自分でもこんなに頑張れた事が信じられない。でも、勝ったと思った」
その小林選手が世界王座を掴んだ。「もう一度彼とやりたくて仕方ない」は、正直な気持ちだ。
超変則スタイル。ダウンを喰らってからの大逆転が十八番だった。デビュー戦は2度のダウン(スリー・ノックダウン制)を奪うも、スタミナ切れ。後半は、猛攻をくらいほうほうの態で逃げ切った丸山選手。個性的スタイルであった。
「今だったらプロテスト受からないんじゃないですかねェ」(~~)
「そうかもな」
「個性的な選手、いなくなっちゃいましたねェ」
現代では合格率5〜6割程度(関東地区)のプロテスト。しっかり2ラウンドのスパーリングで判定される。昔は、早いものでした。1分もしないうちに終わっちゃうケースもありましたね。もっと昔になると、入門1、2ヶ月程度でプロになっちゃう選手が、たくさんいた時代もありました。
今、4回戦ボーイが足らないという。マッチメークの現場は大変だ。試合まで3ヶ月ほしいという4回戦ボーイも珍しくない。テストに合格しても皆がデビューするわけではない。それを思い出、いや記念だけにとどめるライセンサーも数多い。ジム側としては、ある程度のレベルに達した者をテストに送り込むわけだが、不合格、即あきらめてしまう練習生もまた多い。いつまでもテスト受けられないと、これまたジムを去っていく練習生。

「もう少し殴り合いって事考えないと、ジャッカルみたいなの出てこないよなァ」
「反則はダメだけどさァ、もう少し幅広げてくれてもねェ」
ボクシングは殴り合うスポーツ。基本は大事。しかし、基本を崩す変則もあり、それは戦いにおいて通用する。昔は、上手くないけど、体力があって、前に出る迫力あった選手がいたものです。一つ一つ勝ち上がって行く事で、自然と上手さも身に付いていった。反対に上手くなったけど、迫力なくなって落ちていった選手もいましたが。
「体力、もっと見てくれてもいいよなァ」
最初のテストに落ちても、いや何度か落ちてもチャンピオンになった選手はたくさんいます。あきらめず、自分の形を作る事だと思います。カッコよくないスタイルにおいては、体力ある事は重要用件。
第二のジャッカル選手。出現してほしいものです。
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