全日本MVPvs6勝7敗・噛まれない!

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「ナイスファイト!」

試合後開口一番、具志堅用高会長が声をかけてくれた。大変満足そうな表情である。

28日後楽園ホール。昨年度の全日本新人王MVP9戦全勝(6KO)の斉藤 司 (三谷大和)選手に、協栄ジムの杉浦充訓(28)選手が挑んだ。この日まで6勝(4KO)7敗2分の戦績。02年1月デビュー。21歳の初陣は初回僅か13秒でストップされた。

「ヤバイなァ。もうちょっとで歴史に名前が残っちゃうところだったな」(~~)

2戦目は引き分けるも、3戦目また黒星。「沖縄も行ったんですよね」。4戦目の沖縄遠征は、石垣 栄 (平仲BS)選手に40秒で倒された。デビューから初白星まで1年半。途中3年半のブランクを乗り越え、ようやくA級ボクサーの仲間入りを果たした。だが、6月の前戦はKO負け。

「大竹さん、なに移籍したの?」。「・・・・」(~~)

試合パンフレットには、杉浦充訓(ヨネクラ)の表記。「やっぱり舐められてるな」(~~)

「向こうは去年の今頃まだ4回戦だぞ。お前、キャリアあるんだから」

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初回試合開始早々から鋭いジャブを打ち込んでくる斉藤選手。高いガードで顔面は覆われている。「一緒だよ、一緒!」。黙って下がることなく、ジャブを併せ打つ。あそこで下がれば試合の終わりは早かったろう。

幼少期から不遇な生活を強いられていたという19歳のホープは、それでも前に出てシャープなコンビネーションを打ち込む。しかし、杉浦選手もすぐさま打ち返す。ボディがいい。斉藤選手の顔面はガードが固い。

「腹だよ腹。左の腹、強いの!」

やる気を見せてくれた杉浦選手の立ち上がりを見て、大竹マネジャーも力が入る。チーフの新井先生に耳打ちする。

「向こう計量でパンツ脱いでギリギリだ。腹打たして腹!」

初回、2回といい立ち上がり。

「いいぞ杉浦。今日は8回戦なんだから。必ずチャンス来るから、体起こさないで、このままやって来い。いいか、腹打っとけよ!」

3回。斉藤選手がさらに出て来た。プレスを強める。それでも応戦する杉浦選手だが、斉藤選手の攻撃力が上回り始めた。しかし、決して守勢一方にはなっていない。よく打ち返していた。

斉藤選手のトランクスのお尻には”六興電気(株)”。元電気屋としては懐かしい名前である。現場やってれば体力はあるかな。だが、今日のボディ周りは、ゆるそうに見える。


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鼻血を出し後退する場面も多くなった杉浦選手。しかし、打ち返す事はやめない。「一緒」の気持ちはまだ残っている。そして迎えた6回も残り僅かというところで杉浦選手の左フックがカウンターでヒット。大きく腰を落とした斉藤選手。効いている。場内騒然。千歳一隅のチャンスに追い打ちの杉浦選手。続くパンチもヒットし、これはと思わせたが、ア〜ここで終了ゴング。

「いいぞ杉浦。惜しかったなァ。次、出るんだぞ!」

「ちょっと上げて下さい」

インスペクターの指示によりドクターがコーナーに上がって来た。鼻血は出てるが、ダウンに近いダメージングパンチを当てたばかりだ。選手の意識を確認する為の質問が飛ぶ。全てに明確に答える杉浦選手。

この間、一人のセコンド行為は妨げられる。少し前、静岡の試合のセコンドは二人。後楽園ホールとは違い、うがい等やりにくい地方リング。上がりやすい方からリングへ上ったへドクターからは、「どいてください」。この間コーナーの仕事は妨げられる。これは公平さを欠く行為であると思う。セコンドには重要な役割がある。セコンドの仕事が妨げられてはいけない。

ラスベガスなどのリングでは、リングに上がるドクターはリングエプロンでセコンドの外から選手の様子を伺っている。必要に応じて選手に接近する場合でも、セコンドの仕事は邪魔せずにドクターはドクターの仕事をされている。

「ティファナなんか、コーナーポストの上から見てたよ。もうずいぶん前の事だけどね」

     ペタしてね

7回。斉藤選手にはまだダメージが感じられた。打って出た杉浦選手であるが、追い切れない。ちょっと疲れたか。斉藤選手も打って来るが、深追いはなくなった。

「これわかんないよ。面白くなって来た。頑張るねェ〜」

リングサイド席からの声が聞こえる。

最終回。杉浦選手は疲れた。それでも最後まで死力を尽くして戦った。試合終了ゴング。コーナーに帰って来た杉浦選手に、大竹マネジャーが声をかける。

「よくやった。よくがんばったなァ、杉浦。今までで一番いい試合だったぞ!」

79−74が2者。80−72が2者でポイントの上では文句ない斉藤選手の勝利であるが、具志堅会長の「ナイスファイト」の言葉にうそはない。

「それにしても80はなァ」(~~)

「6回も向こうじゃ、ちょっとなァ」

加点法の時代であったら0点。

「こんなに一生懸命戦ったのに、ゼロとは何事だ」の時代ではないが、最近の採点結果では、「トータル的にラウンドを支配していても、一発のダウンに近いいいパンチが入ると、そちらへポイントが流れる傾向がある」。と、ジョー小泉氏も解説されていますよね。(~~)

ポイント的には完敗。だが、大きな収穫もあった。「ランカークラスの力がわかりました」。「こんなものか」がよい方向へいけばまだ伸び代はある。だが、簡単に考えるとこれで終わる。

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「大竹さん、ありがとうございました。一発いいのもらって効いちゃいました」(~~)

試合後すぐさま三谷会長が挨拶に来られた。

「偉いねェ。ああいう会長少ないよ。だから選手出るんだろうな」

これで10戦全勝(6KO)の斉藤選手は、まだ19歳。三谷会長の指導の下、これからの活躍が楽しみです。

6勝(4KO)8敗2分となってしまった杉浦選手だが、具志堅先輩から頂いた「ナイスファイト」の言葉をを思い出し、今後の戦いに活かしてほしい。負越し選手も、噛まれるつもりは全くなかった。戦う心大事です。好ファイトでした。

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このページは、BOXINGNAVIが2009年10月29日 11:47に書いたブログ記事です。

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