レフェリー・今昔・プロボクシングを捌く!

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「荻野(貞行)先生なんか、ジャッジペーパーありませんよ」

「俺はないよ」と一言。試合中ジャッジペーパーをつけずに勝者を選定する。「これは荻野先生だから通った事です」。(荻野氏はボクシングの母といわれる)

戦後、日本ボクシングコミッション(JBC)が創設され、試合に対する抗議はJBCとの間でとり行われるようになったが、それ以前は直接レフェリーが矢面に立たされた。レフェリー受難の時代である。

「レフェリー、何やってんだ!」

「てめえ、やってみろ!」

昭和20年代は、試合が終了すると警察がリングを保護、いや、レフェリーを保護していた。昭和30年。東洋ボクシング連盟(OBF)に習い、JBCは採点を4点法の加点法に準ずるとルールを改正した。加点法。「悪い方の選手はどこまでいってもゼロなんです」。

「あれだけ戦ってゼロはないだろう」とセコンド、応援団が怒るケースも続出。戒告、出場停止を受けたレフェリーが何人も出た。きつい時代である。そして昭和34年、とうとうゼロ判定に怒った選手側のごひいき筋にレフェリーが暴行を受けるに至る。

暴行を受けた林レフェリーは、警察へも行き、新聞ダネにもなった。しかし、犯人は人ごみの中の大勢で、捕まるよしもない。「全員やめます」。審判団全員がJBCに辞表を提出する事態にまで発展。

一致団結結束した審判団の下、以後、レフェリーの地位は確立され、権限も強いものになっていく。現代では、レフェリーへの猛抗議という場面はほとんど見られません。

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「アレッ」というほどの早いストップに対しても、健康管理問題という側面を理解しているセコンド陣から抗議の声が上がる事はない。

「戦後は食生活が良くなって、かえってボクサーの基礎体力が落ちた。昭和30年代から急に死亡事故が増えていますね」

「コッペパンかじったり、バケツのオカラ食べたりして、1ヶ月に10回以上も試合して、死亡者はほとんどいなかった」

ダド・マリノvs白井義男戦を捌いた 林 国治氏は、「事故が続発すれば、早く止める。これはしようがないですよ。選手自体が根本的に体力がないんですよ」と、早めのストップに言及されている。昭和60年の事である。


吉田勇作レフェリー。

「ボクシングはもともと危険なスポーツなんですから、ぎりぎりのところまでやらせるレフェリーが一番だって言うんです」(故・吉田勇作氏)

大場政夫(帝拳)選手、輪島功一(三迫)選手らの世界戦をレフェリングされて来られた吉田氏。私のデビュー戦も捌いていただきました。(~~)

ストップが遅いと非難された試合もありましたが、大場vsチャチャイ戦等、多くの名勝負を演出して来たのも確か。「ぎりぎりのところまで」は、大変なレフェリング技術を要する。

 ペタしてね

早めのストップにリング上抗議してきた6回戦選手に対し、すぐさま控え室に来て、「誰ださっき俺に文句言ってきたヤツは!お前なんかもう試合させないぞ!」。それは大変な貫禄でありました。

フィリピンの東洋タイトル戦ではピストル突きつけられた経験もお持ちだが、「ああすれば少しは有利に採点すると思ったんでしょ」と、素っ気ない。

75年マレーシアでモハマッド・アリvsジョー・バグナーの世界ヘビー級戦をレフェリングされた羽後武夫氏も、「おかしなレフェリングすると、ピストルでバカンと来る」と脅されていた。その理由は、「キリスト教vsブラック・モスレムの宗教戦争」だから。

「リングサイドのお客さん方が、レフェリーをヤジらなくなったということは、進歩したっていうことでしょうねェ」(林氏)

「何がおこるかわからないってところに、ボクシングの魅力があるんですから、カンカンと倒されていたのが、逆転KO。これがボクシングなんです」(羽後氏)

歳月が流れ、ボクシングのルール、試合のあり方も変わった。今後の発展を願うばかりです。

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このページは、BOXINGNAVIが2009年10月19日 11:49に書いたブログ記事です。

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